もの言わぬ、決して反撃してこぬ物体を相手に、思う存分叩き殴り蹴り、壊す。無抵抗をいいことに。
それが地上最強の生物 範馬勇次郎にとっての瓦割り論。一方で、拳技とは弱者の為にこそ存在するものであるという前提に立てば、別の見方もできます。
かつて破壊不可能だった物をある日突然打ち壊せる。誰も傷つける事なく得られる上達の実感。進化の途上という条件付きであるならば、あながち無意味とは思えぬ。
今回は、そんな瓦割り論争に決着をつけるべく奔走した、ゆるふわ鼻ぺちゃフェイスな弱者代表 だいきち・ファンク・ジュニアの1日店長日記です。
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舞台は浅草 瓦割り専門店「カワラナ」。12:00-16:00がだいきちに課せられた1日店長の仕事時間。普段ならお昼寝タイム真っ最中のこの時間帯、ハードな仕事を予感させます。
一日店長のマークを付けてご満悦
お仕事をスタートすると、早速何名かのお客さまに"かわいい"をいただき快調なスタート。調子に乗った店長は、スタッフを上手に使い瓦割りのレクチャーを促します。「自分はかわいがられ担当。説明などは全部任す」という適材適所の能力配置はなかなか有能な店長っぷり。
ところで、カワラナの現在の瓦割り最高記録は32枚。さぞかし屈強な男たちが集まるのかと思っていたら、石原さとみ効果なのか何なのか、女性の瓦割り二ストが多いことに驚きます。
瓦割り女子たちにたっぷりかわいがりを受けご満悦のだいきちでしたが、さらにうれしいことに、Twitterやインスタを見てわざわざ会いにきてくれた方もいらっしゃいました。こんな素敵なことが起こるなんてつくづくSNSのパワーは素晴らしい。
だいぶお疲れで、休憩8割のだいきち
たこ焼きやらたい焼きやら浅草のグルメを堪能し、人力車の外国人に愛想を振りまいたころ、ついに現れた屈強なマッスルが瓦割りギネス記録 33枚に挑戦しました。
彼の名は、イワヲ ザ マッスル
週6回のウェイトトレと一日4個のゆで卵により鍛え上げられた、上腕筋やら大胸筋やら、広背筋やら僧帽筋やら野心やらをフル稼働させ瓦に叩き込みました。↓
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結果はご覧の通りの惨敗っぷり。実力の見誤り方の甚だしさといったらもう、一気に見誤りオブザイヤー2018の有力候補。上着を脱いでムキムキを見せつけてくれた一連のくだりなど、思い返すだけで笑わずにはいられない。
腕のスウィングスピード、鉄槌を叩き込む位置など、特にミスらしいミスも見当たらないあたりがまたじわります。
さて、今年巨人を引退したサウスポー 杉内俊哉選手はかつて、自身のピッチング理論をこのように語っていました。
ムチのように腕をしならせ、リリースの瞬間のみ力を込める。リリースの瞬間まではひたすらリラックス。
刃牙の郭海皇のシャオリー理論とも重なります。弛緩と緊張の振れ幅こそが打突の要。力の抜き方こそが肝要だということです。
そして、リラックスといえばパグのゆるふわ鼻ぺちゃフェイス。もっと店長を見てリラックスしてのぞめば、ここまでの惨敗はなかったのかもしれません。
惨敗マッスル イワヲさんは、リベンジを誓い、早くも次回チャレンジの計画を練っている模様。手が届くか届かないかギリギリな目標は、人間の成長を加速させるもの。あるマッスルの成長を後押しした一日店長だいきち・ファンク・ジュニアの仕事でした。
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無抵抗の瓦を思う存分叩き割るという行為に意味はあるのか。
ある人にとっては、成長を実感、加速させる装置として、そして、それを見るものにとっては至極のエンターテインメントとして機能する。
それがだいきち店長の出した結論でした。
12:00-16:00のはずが残業2時間。ハードな一日無事がんばりました。セイっ!